2013年8月17日土曜日

ナツイチ 「23分間の奇跡」 高橋みなみ読書感想文 

23分間の奇跡を読んで

 人の、特に子供の考え方は柔軟だ。
 この本を読んで改めてそう思い、そして怖くもなりました。
 23分間という短い時間で聞いた事・見たもの・出会った人が人生を左右する。
 それが良い事なのか悪い事なのか私には答えはわからない。
 ただ私にも人生を変える出会いがあった。それは小学4年生の時に他の学校から赴任してきた先生だった。人数が少なかった私のクラスは1年からずっと1ク ラス。良く言えば仲の良いクラス、悪く言えば…先生達には扱いづらいクラスだった。そんな私のクラスの男子は担任になった先生をからかう事を、とても楽し みにしていた。そう、先生があまり好きではなかったのだ。だから新しい先生が来た時もその特徴的なイタリアの青いジャージの先生も、彼らには獲物だった。
 ただ…この先生だけは、今までの先生とはちがった。一言目に私達に怒りだし、説教を始めた、私達のクラスに怒ったのはこの人が初めてだったと思う。
 私達と向き合い、時には子供のように誰よりも早く校庭にでてサッカーボールを蹴る、そんな先生を、皆最後には『親父』と慕ったのだ。若い私達と向き合い、先生であり父であってくれたこの人に出会えたからこそ、大人を信じてみようと思えたのかもしれない。
 全ての出会いは必然であり
 『奇跡』だと私は思う。

http://kansoubun.shueisha.co.jp/takahashi_minami/

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