2005年10月30日、AKB48の最終オーディションに合格した君は14歳でした。
目立たない。
いや、わざと目立たないようにじっと大人たちを観察しているような少女でした。
あれから9年半の歳月が流れ、
改めて君に手紙を書こうとすると、正直何を書けばいいのかわからなくなります。
色々な思い出があり過ぎて、頭の中が整理できません。ただ、なぜか涙が溢れてくるのです。
ボクは君の為に何をしてあげられたのでしょう。
「AKB48とは高橋みなみのことである」ボクは本の帯にそう書きました。
AKB48が売れていない時代からメンバーを支え、スタッフを引っ張り、
ファンの皆さんと正面から向き合ってきたのは君です。
世間から非難された時も君は逃げることなくその小さな体で受け止めました。
理不尽なことも一杯あったでしょう。
でも、君は不平や不満どころか、愚痴ひとつこぼしませんでした。
ただ一点、遠くの夢だけを見ていました。
次期総監督に横山由依を指名することに躊躇していた君の気持ちが痛いほどわかります。
こんなに辛いポジションは私限りでいいと思っていたのですね。
多くのメンバーが自分の夢の為に旅立って行く中、
君は微笑みながら見送り、このAKB48グループに残されたメンバーを守り続けてくれました。
まるで母親代わりに、
少女が幼い兄弟が自立するまで自分の夢や未来を後回しにしてきたような日々でした。
その君のAKB48愛に甘えてきたことを本当に申し訳なく思います。
さぁ、今度は君の番です。君が自分の夢だけを考える番です。
ためらうことなく、その第一歩を踏み出しなさい。
君が歯を食いしばって頑張っているその姿を後輩たちは多くを学びました。
きっと、君のAKB48愛を継承してくれるでしょう。
次はここを旅立った時、外の世界でも輝いてる君を後輩たちに見せてください。
メンバーだけでなく、ファンの皆さんや多くの人たちの勇気になります。
努力は報われるんだなって。ありがとう。
今までAKB48を引っ張ってきてくれてありがとう。
AKB48のメンバーになってくれてありがとう。
この世に生まれてきてくれてありがとう。
たかみな、誕生日おめでとう。
秋元康。
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